シリコーンゴムラバースイッチについて

私たちの日常生活に欠かせない家電製品のリモコンのボタンや、自動車の各部位を操作するボタン部分にコンタクトラバースイッチ(ラバーキー)としてシリコーンゴムが使用されており、当社では多種多様なシリコーンラバースイッチを製造しております。

シリコーンゴム シリコーンゴムは使用温度範囲が広く、-40℃から200℃の過酷な環境下でも有機系合成ゴムに比べ、安定した弾性と小さな圧縮永久ひずみ性を維持するためキーパッド用材料として広く使用されています。


一般的なゴム硬さ

シリコーンゴム材料の硬さはJIS K6253タイプAデュロメータ硬さで規定され、10゚~80゚までラインナップされています。
このうち一般的な部品では生産性を考慮し、40゚~70゚を使用します。
また、シリコーンゴムスイッチでは用途や特性により、使用される硬さは以下のように分類されます。

ゴム硬さ 製品用途
40~45° 極低荷重で高耐久な楽器鍵盤用キー
45~50° 1N程度の荷重で高耐久なゲーム機用キー
50~65° 2~4N程度の高荷重で明確なクリックの自動車用キー
55~65° テレビリモコンのように外観に出るキー

※上記は例であり規格値ではありません。

当社製品紹介ページ



ラバーキーの耐久特性と材料グレード

シリコーンゴムスイッチの材料グレードは用途や荷重規格、サイズと要求される打鍵耐久回数によって選定されます。

製品 要求される耐久回数(目安) 材料グレード
楽器鍵盤用キー 100万回以上 基本的に高耐久材を使用
ゲーム機用キー(荷重1N) 10万回以上 中耐久材
ゲーム機用キー(荷重1N) 50~500万回 高耐久材
自動車用キー(荷重3.5N) 5万回程度 基本的に一般材を使用

※上記は例であり保証値ではありません。



シリコーンゴムスイッチ用接点 接点は成型されたシートを定型で抜いた導電接点チップと導電印刷があります。
シリコーンゴムやシリコーンインクに導電性カーボンが配合された導電性シリコーンを使用します。
また、より高い導通性能が得られる金属接点もあります。

GPR接点は、当社が製造特許を取得している部品となります。

金属等メッシュ接点及びスイッチ、並びにその製造方法
出願番号:2010-546556
出願日:平成21年12月11日
登録日:平成23年3月25日
名称 接触抵抗値範囲 種類 外観 特徴・用途
通常接点 <200Ω 通常 プレーン
通常のキーパッド。

CV-LR接点 <50Ω 低抵抗 スクエア 早い通電タイミング。
自動車ステアリングスイッチなど。
CV-GPR接点 <1Ω メッシュ 最も早い通電タイミング。
自動車ミラースイッチやエレベータなど。
導電印刷 <500Ω 印刷 - 円形でない接点面の部品。
耐久性を求めない部品。

※使用接点φ3.0、接厚1.5N、基板0.4ピッチ(金)



接点と導通タイミング シリコーンゴム接点は、絶縁材料であるシリコーンゴムやシリコーンインクに導電性カーボンを配合しており、金属ほどの導通性はありません。
接点の導通性能によって、接点接地後の通電のタイミングは遅くなります。
この通電タイミングは基板の材質、ピッチによって大きく変わります。

※図はイメージです。
名称 接触抵抗値範囲 記号
通常接点 <200Ω P
CV-LR接点 <50Ω LR
CV-GPR接点 <1Ω GPR

※使用接点φ3.0、接厚1.5N、基板0.4ピッチ(金)